2011-03-21

2011-03-20

  1. ”木蓮の花一つ一つ皆乳房[ちゝ]の如き恋を含む”(泉鏡花「月令十二態」)ってとこが何とも言えず好きだ。
  2. 真摯に書いたものにはやっぱりその人自身がかなり反映されてしまうよなあ。
  3. 友人が震災に際して書いた文章を読んで、暗澹たる気持ちに。相変わらずこの人の中で世界は男女にはっきり分かれていて、人間=男なんだなあ。(女はさらに恋愛対象とそれ以外に分かれている) 他人に完璧を求めてもむなしいけど…。
  4. ポメラで打ち込みして、変換出ない漢字はiphoneでsjisコード検索、ってのが大変便利。これ現役の時あったらホントに使えたのになー。
  5. 手動鏡花botで「月令十二態」(大正九年)の春から初夏までをお送りしました。残りの月は本来のbotの方でupいたします。
  6. 酒はさざんざ松の風。緑いよ/\濃かにして、夏木立深き処、山幽に里静に、然も今を盛の女、白百合の花、其の膚[はだへ]の蜜を洗へば、清水に髪の丈長く、真珠の流[ながれ]雫して、小鮎の簪[かんざし]、宵月の影を走る。 ー泉鏡花「月令十二態/六月」
  7. 照り曇り雨もものかは。辻々の祭の太鼓、わつしよい/\の諸勢[もろぎほひ]、山車は宛然[さながら]薬玉の纏[まとひ]を振る。桟敷の欄干連るや、咲掛る凌霄[のうぜん]の紅は、瀧夜叉姫の襦袢を欺き、紫陽花の浅葱は光圀の襟に擬ふ。人の往来も踊るが如し。 ー泉鏡花「月令十二態/六月」
  8. 且つ見る後苑の牡丹花、赫耀として然も静なるに、唯一つ繞[めぐ]り飛ぶ蜂の羽音よ、一杵[しよ]二杵ブン/\と、小さき黄金[きん]の鐘が鳴る。疑ふらくは、これ、龍宮の正に午の時か。 ー泉鏡花「月令十二態/五月」
  9. 藤の花の紫は、真昼の色香朧[おぼろ]にして、白日、夢に見[まみ]ゆる麗人の面影あり。憧憬[あこが]れつゝも仰ぐものに、其の君の通ふらむ、高楼[たかどの]を渡す回廊は、燃立つ躑躅[つゝじ]の空に架りて、宛然[さながら]虹の酔へるが如し。海も緑の酒なるかな。鏡花「月令十二態/五月」
  10. 山吹の背戸、柳の軒、白鵞遊び、鸚鵡唄ふや、瀬を行く筏は燕の如く、燕は筏にも似たるかな。 銀鞍の少年、玉駕の佳姫、ともに恍惚として陽の闌[たけなは]なる時、陽炎の帳[とばり]静なる裡に、木蓮の花一つ一つ皆乳房[ちゝ]の如き恋を含む。「月令十二態/四月」
  11. 春の粧[よそほひ]の濃き淡[うす]き、朝夕の霞の色は、消ゆるにあらず、晴るゝにあらず、桃の露、花の香に、且つ解け且つ結びて、水にも地[つち]にも靡くにこそ、或は海棠の雨となり、或は松の朧となる。泉鏡花「月令十二態/四月」
  12. それも夢か、胡蝶の翼を櫂にして、桃と花菜の乗合船。うつゝに漕げば、うつゝに聞こえて、柳の土手に、とんと当るや鼓の調[しらべ]、鼓草[たんぽぽ]の、鼓の調。泉鏡花「月令十二態/三月」
  13. いたいけなる幼児[をさなご]に、優しき姉の言ひけるは、緋の氈[せん]の奥深く、雪洞[ぼんぼり]の影幽なれば、雛の瞬き給ふとよ。いかで見むとて寝もやらず、美しき懐より、かしこくも密[そ]と見参らすれば、其の上に尚ほ女夫雛の微笑み給へる。泉鏡花「月令十二態/三月」
  14. 毎年のようにガラスポットを割り続けてきた我が家には、まさに必要な一品な気がする。 /ポット+ケトル、その名も「ポトル」 - ケータイ Watch http://ignt.hk/gJeVRj

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