2005-05-14

サウンド・オブ・サイレンス 鑑賞

悪役の人であるショーンを目当てに、「サウンド・オブ・サイレンス」鑑賞。
…監督で映画を選ぶことはあっても、俳優で映画を見るようになろうとはちょっと前までは考えられなかったのになあ。まあいいんだけど。

画面も、俳優も良い出来なのに、いまいち身に迫るものが無いというか。そこここのレビューで書かれているとおり、ちょっともったいない映画でしたね。監督やプロデューサーが豪語する「構想12年」というのも信じがたいぐらいな…。

ショーンは現代物になると悪役が多い。(あまりにも端正な美貌なので冷たい印象を持たれるせいではないか、とどこかのインタビュアーが書いていたが、その通りだと思う。)今回も10年前に仲間の裏切りによって奪われた赤いダイヤを手段を選ばず取り戻そうとする犯罪者の役。
ただ、この人場合単なる悪党に終わらないのは、目と目線の演技があるからだと思う。ためらいなく暴力をふるい、人を殺すような役であっても、必ずシーンの中に細かい目線の動きの演技が入っている。少しだけ逸らされた視線や、惑うような瞳の動きによって、役の持っている弱さや、迷いなどの負の内面をセリフによらずに演技の中によぎらせ、人物を複雑なものにしているから見応えがあるのだ。

畢生の名演だったボロミアはもちろん素晴らしいんだけど、この人の演技だけで魅せるような脚本が(出来れば主演で!)回ってこないものか、と思うのはファンの欲目だろうか。絶対に観客をうならせるような映画になること請け合いなのに。(「オデュッセイア」映画化は噂だけで終わっちゃうのかなぁ。 )
直前にヴィゴ・モーテンセン「オーバー・ザ・ムーン」を見ていたので余計にそう感じたのかも知れない。(しかし、何で原題のWalk on the Moonじゃいかんのだ。月を越えちゃってどうするよ。)あの映画は結構地味なストーリーなのに、ヴィゴの演技から目が離せない。

ヴィゴといえば、マイケル・ダグラス。どうしてあんなに悪人面で雰囲気が悪いのか。「ダイヤルM」の時も思ったけど、どう見ても登場人物の中で一番悪い人にしか見えない!演技がうまいだけに印象も強くてなんとも…。

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